2014年2月8日土曜日

『ゴシップガール』のチラ裏:各エピソードの黄金パターン

*思いついたことを箇条書きにするのも面倒くさいので、ファミレスで3時間語り倒すモード(=ひとり語り風)で、頭に浮かんだことをそのまま書いていくことにします。

まずねぇ、GGの大きな特徴は、「テンプレートが見え過ぎるほど、エピソードの構成がワンパターンであること」 もっとも連続ドラマってのは、どんなものでもハナシの作り方のパターンってのはあるのよ。SFものでも、刑事ものでも、恋愛ものでもそう。突き詰めればどんなお話でも、お話である以上は起承転結なり序破急なりの骨組みに還元できるわけでしょ。だから「1シーズン24エピソードの全部が起承転結の構成でワンパターンだ!」なんてことはいわない。

ただ、小説でもドラマでもそうだけど、この究極の骨組みをベースに、いろいろと肉付けをしているんであってね。肉付けに使う素材を変えたり、工夫するなりして、他とは違う個性を出しているわけじゃない。この工夫の一つとして、「エピソードの構成がワンパターンに見えないようにする」ってのがあると思うのよ。

例えば21世紀におけるアクションドラマの金字塔である『Alias』だって、「初めに派手な事件が起きて、シドニーが変装して敵の陰謀を探って、そのうちに格闘と銃撃があって、実は陰謀には裏があって、その結果シドニーがピンチに陥るけど、仲間の助けによって辛くも危機を脱出する」ってワンパターンではあるよ。他のドラマも以下同文な感じであることは認める。

でもね、普通のドラマってのは、視聴者になるべくワンパターンであることを気づかせないように、色々と工夫しているものでしょ。エピソードごとに構成を変えたり、シーンごとの時間配分を意図的に短縮or冗長にしたり、2話連続のエピソードにしたり、強烈なゲストキャラを投入することでエピソードの構成から目を反らしたり……etcってな感じで、視聴者の目先を変えるために涙ぐましい努力をしているもんなのよ。

それがGGについていえば、こういうエピソード構成のワンパターンを隠すような工夫は一切ナシ。本当に一つの工夫もない。基本、S1E2から最終回まで全エピソードが以下のテンプレートに沿って作られてるんだ。

①メインキャストの誰かが、有利/不利になることが起きる。
②メインキャストの誰かが、有利/不利になることを実現/阻止するために安っぽい悪巧みを仕掛ける。
③安っぽい悪巧みは敵対者にあっさり看破され、カウンターの悪巧みを仕掛けられる。
④カウンターの悪巧みは成功し、メインキャストの誰かが窮地に陥る。
⑤この状況を打開するため、パーティで窮余の一策を講じる。
⑥窮余の一策が暴走し、パーティがぶち壊し/ぶち壊し寸前になる。
⑦メインキャストの誰かが、説教/巧みなフォローをすることで破滅的状況を回避する。
⑧ここまでの状況で変化した人間関係の結末を紹介する。

この黄金パターンはS1E3で完全に確立しているのね。いやホント、S6までのどのエピソードを見ても、必ず開巻25分前後にパーティをやるんだって! テンプレート通りであることを隠す気ゼロ。以降は、このテンプレートに忠実すぎるほど忠実におハナシが作られてるの。

正直いって、この黄金パターンは意図したものであったとしても、決して褒められるものじゃないでしょ。黄金パターンといえば『水戸黄門』だけどさ、確かにいっつもいっつも印籠が出てきても面白いものは面白い。長続きしただけの理由がある良いドラマだとも思うよ。でもね、あんまりこういう言い方はしたくないんだけどさ、いわゆる批評家的視点から見てだね、例えば『Before the Devil Knows You're Dead(その土曜日、7時58分)』みたいな凝った構成の映画と比べて優劣をつけるなら、どう考えても優れているとは言えないわけでしょ。

というわけで、GGもドラマとして見れば決して出来は良くないのよ。この黄金パターンもそうだし、辻褄を合わせるきゼロの杜撰なシリーズ構成もそうだし、ご都合主義でしかハナシが進まない安易な脚本もそう。これ全部瑕疵。てな感じでアラ探しをすれば、いくらでもアラは出てくるんだ。

でもねぇ、手前はねぇ、こういう黄金パターンを持ち、杜撰でご都合主義な構成&おハナシであるからこそ、映える魅力ってのがあると思うんだ。
(つづく)

ともあれ手前は、韓国は仏像を返還すべきであると思う。




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