2012年4月15日日曜日

smallvilleを見終わった:その4(続々・見過ごせない瑕疵について)

以下、昨日、一昨日に引き続き『smallville』シーズン9の超絶ネタバレをかますので、これから『smallville』を見ようと思っている方は、そのままブラウザの「戻る」をクリックされることをオススメします。

シーズン9で語られているテーマの一つに、「クラーク・ケントの人間性の回復」があります。というのもクラーク・ケントは、シーズン8でヤングドゥームズデイとの戦いを経て、「感情に流されたことで取り返しのつかない失敗をした」「クリプトン人なのに人類の持つ人間性があるから、オレはヒーローになれないんだ」という結論を出し、「クラーク・ケントは死んでしまった」という捨て台詞を残して、クロエの下を去ります(このように、正編でスーパーマンを殺すドゥームズデイが、過去にクラーク・ケントも“殺していた”ってハナシに落としているところがイイ! こういうところもシーズン8の美点だと思いますよ)。

こうして人間性を押し殺し、孤独の要塞でジョー・エルとトレーニングに励むクラーク・ケントが、押さえつけていた感情を直視し、自身の持つ人間性を認めた上で、真のヒーローへと成長していく――。つまるところ、ドゥームズデイに“殺された”クラーク・ケントが“復活”する物語こそ、シーズン9に通低するテーマなんですよ。

そして、この“復活”のキッカケとなるのが、「ep1:SAVIOR」で、脱線事故により地上へと墜落するモノレールを救助した際に、ロイスの姿を見てしまったことだったりします。3週間行方不明になっていたロイスの無事を確認したことで、秘めていた恋心にブワァーっと火がついて、感情も人間性も押さえ込めるもんじゃありませんな、こりゃ! となっていくわけです。

で、この脱線事故がどうして起きたのかというと、スーパーパワーを持つ“女忍者”アリアがロイスを襲ったからなんですよ。つまるところ、「シーズン9の大テーマに関わる一大イベントの契機が、どうにも弁護のしようのない脚本のミスに起因している」ってことです。これではね、さすがに「薄目で見て」も見逃せませんて。

実は↑のミスについては、「もしかしたら次のシーズンで何らかの後付説明があるかもしれない」と、ほんのり期待していたものですが、シーズン10はといえばシーズン9のことを忘れたかのような感じで淡々とハナシが進み――ってアメドラはみんなそうなんだけどさ。『DEXTER』なんかも前シーズンの伏線を全部すっ飛ばす漢っぷりだし。まぁ、面白いからいいんだけど――、結局、何の説明もないまま終わっています。

というわけで、シーズン9の脚本のミスについてのハナシはこれで打ち止め。いやぁ、ここまで書いてようやくスッキリしたわ。

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