2012年4月13日金曜日

smallvilleを見終わった:その2(見過ごせない瑕疵について)

以下、『smallville』シーズン9の超絶ネタバレをかますので、これから『smallville』を見ようと思っている方は、そのままブラウザの「戻る」をクリックされることをオススメします。

えーとですね、シーズン9の何が許せないのかっていうと、「アリアはなぜ、スーパーパワーを持ち続けたのか?」ってことですよ!

といっても、何のことかわかりませんね。というわけで、このハナシに文句をつける前に、ザザッと事実関係を整理しておきます。

・アリアは、「ep1:SAVIOR」に出てくる“女忍者”
・アリアは「クリプトン星、カンダー国の軍人」(以下、カンダー人)
・カンダー人(=アリア)は黄色い太陽の下(=地球)ではスーパーパワーを発揮できない

なぜ、クリプトン星人であるカンダー人が、クラーク・ケントと同じように黄色い太陽の下でスーパーパワーを発揮できないのか? その理由は以下の通りです。

・カンダーが滅びる直前、ゾッド少佐が率いるカンダーの軍人たちは、ジョー・エルに自らのDNAサンプルを託した
・ジョー・エルは、彼らのDNAサンプルをオーブに納めて地球に送った
・ただしジョー・エルは、将来の禍根を経つべく、オーブにブルークリプトナイトをかざし、DNAサンプルからスーパーパワーを除去していた
・地球に辿りついたオーブは、いろいろあってテス・マーサーが復活させた
・オーブ復活により、そこに納められていたDNAサンプルからゾッド少佐以下、数十人のカンダー人が“再誕”する
・しかし、「黄色い太陽の下、神のごとき振舞える」はずだったのに、スーパーパワーが使えなくなっていた

で、ゾッド少佐はスーパーパワーを取り戻すべく色々と策謀し、そうはさせじと我らがクラーク・ケントが立ちはだかる――というのが、シーズン9の大雑把なハナシの流れです。

さて、ゾッド少佐とカンダー人は、シーズン後半においてスーパーパワーを取り戻します。その方法は、「赤い太陽」と「クラーク・ケントの血」です。

すなわち、

①<ゾッドタワー>で、地表に届く太陽光線に色々と細工をして作り出した赤い太陽の下であれば、カンダー人はスーパーパワーを取り戻す
②カンダー人の体内にクラーク・ケントの血が1滴でも入り込めば、黄色い太陽の下でもスーパーパワーを発揮できる

というものです。ゾッド少佐が目指したのは①の方法で、テス・マーサーと虚虚実実の駆け引きをしながら、ゾッドタワーの建築を目指します。

ゾッドタワーが完成した暁には、数十人の良く訓練されたカンダー人がスーパーパワーを持ち、地球を支配することなるでしょう。我らがクラーク・ケントは黄色い太陽の下でしかスーパーパワーを発揮できないため、他の人類と同じく二級市民として収容所で暮らすことになってしまうはず。クリプトン星人の弱点を知るクロエ・サリバン、オリバー・クイーンら元ジャスティスリーグの面々は、グリーンクリプトナイトを使った銃弾やボウガン、ナイフでレジスタンス活動に勤しむに違いない――という未来も実現しかねません。というか、別の時間軸では実現していました。それがシーズン「ep9:PANDORA」で描かれる「もう一つの未来」です。

そこに迷い込んだのがロイス・レイン。シーズン8「ep22:DOOMSDAY」で、テス・マーサーとステゴロをしているうちに偶然レジオンリングを使ってしまい、未来へと旅立ったわけです。ちなみにレジオンリングというのは、タイムスリップができる便利な指輪で31世紀の製品です。

ロイスはいろいろあって過去のクラークたちに警告すべく、レジオンリングを使って元の世界「ep1:SAVIOR」に戻ります。しかし、ロイスがレジオンリングを輝かせた刹那、“女忍者”装束をまとったアリアもリングに触れ、一緒に元の世界に戻ってくるわけですよ。

こうしてロイスとともにタイムスリップしてきたアリアは、「ep1:SAVIOR」において、スーパーパワーを遺憾なく発揮してクラークを追い詰めます……って、<ゾッドタワー>もなくて赤い太陽もないのに、なんでスーパーパワーを発揮しているわけ? というのが手前の感じた違和感であり脚本の瑕疵なんですよ。
(つづく)

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