2012年4月21日土曜日

『ニーチェの警鐘』で一番感心したこと

我が“心の師”である適菜収先生の新刊『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』を読みました。

◆目次 ・はじめに:神は死んだ!
・第一章:どうして今の世の中はおかしいのか?
・第二章:ニーチェの警鐘
・第三章:B層グルメとBポップ
・第四章:知識人はなぜバカなのか?
・第五章:B層政治家が日本を滅ぼす
・おわりに:区別をすること

大まかな主張は、前著『ゲーテの警告』や既著『キリスト教は邪教です!』と同じで、呉智英先生の言葉を借りていうところの「民主主義を疑え!」です。で、この辺のことについては、朝野にB層というキーワードを浸透せしめた傑作『ゲーテの警告』の方が丁寧に書いているので、「B層って何?」という人は、まずこちらから読まれることをオススメします。

さて、この本を読んで一番感心したことは何かというと、適菜先生の言行一致振りですよ。というのも、適菜先生は選挙に行かないそうです。

なぜか? 適菜先生はこう書いています。

「要するに選挙は≪デモクラシー教≫≪民主教≫の儀式です。厳密に言えば、選挙は民主主義的ではありませんが、先述したように議会は民主主義の呪いを背負っています」
(中略)
「要するに、≪デモクラシー教≫≪民主教≫の信者は、「選挙に行かない」などと聞くと、自分たちの神様がコケにされたと感じるのです」
(中略)
「選挙なんかで世の中を変えることは危険なのです」(175~176頁)

このように、近代的諸価値を疑い、民主主義に異議を申し立てることになれば、当然のことながら「選挙には行かない」という結論に行き着くわけです。で、このことを十二分に自覚したうえで、実際に選挙に行かず、「オレっち選挙に行かないんだわ」と公言する適菜先生は、本当に偉いなと。「玄米食え、肉は食うな」と選手に言いながら、自分は銀シャリと肉を食って通風になった広岡達朗とはエライ違いですよ。

「じゃぁアンタは、選挙に行かないっていう適菜のヤローの言うことが正しいっていうわけ?」

と聞かれることでしょう。実際、「年金は払うな。投票しろ」なんてエントリを書いてるしね。というわけで、この問いに対する答えについては、後日改めてキッチリ書くことにします。

0 件のコメント:

コメントを投稿