2011年11月1日火曜日

マッドメン(シーズン4)のミーハーな感想

以下、強烈なネタバレを含むので、シーズン1~4を未見で「これからマッドメンを見よう!」と考えている方は、そのままブラウザの「戻る」をクリックされることをオススメします。

正直、書くつもりはなかったんだけど、それでも思ったことを心から叫びたいときってあるでしょ? お酒を飲める人であれば、酔っ払いついでに喋りたくなることとか。というわけで、以下、単なるミーハーファンとしての感想です。

・シーズン4は、神回だったシーズン3最終話から1年後となる1964年冬からスタート。マッキャンエリクソンに買収される直前に“解雇”され、新会社を作った4人は、たった1年でそれぞれ個室を構えるオフィスへと移転。ホテルの一室からスタートしたとは思えないほど、創業1年目の経営は順調だったようだ。

・フレディ、ケンが戻ってきたのは嬉しい。アリソンが秘書なのはいいけど、この地味顔で長続きするわけがない……と思っていたら、案の定、ドンにハメられた後、いろいろあって退職。やっぱりドンは第一級のロクデナシ。こうでなくっちゃ!

・サリーが超かわいく成長していることにビックリ! シーズン2では文字通りのデブだったので、「将来成長したら目も当てられなくなるのでは?」と心配していたけど、これは完全に杞憂だった模様。見ようによってはベティに見えるところも凄い。全体的な造作としては“ハーマイオニーmeetsケイティ・ホームズ”という感じ。

・7話。アンナは死ぬけど、あの“幻”描写はペギーへの「闘魂継承」ということなのか? サムソナイトのアイディアで散々迷った末、あの“幻”を見たとなれば、当然、出来上がる広告だって“幻”に関連するはずだろう――とミスリードさせておいて、オチがクレイvsリストンとは! 思いっきり製作者に鼻面を引っ張りまわされて、超気持ちよかった!

・ベティのビッチ振りが凄い! という噂を聞いていたけど、シーズン4についていえばそれほどでもなかった。むしろシーズン2の方が凶悪だったような……。ただ、最終話のラストで、わざとお家に忘れ物をしたうえで、ドンが来る直前におめかしするという、元鞘に戻る気マンマンの描写には、腹が立つ以前に大笑いしてしまった。うん、やっぱりベティはクソビッチだYO!

・ラッキーストライクを失ってからの怒涛の展開は見ごたえ十分。実際、これまでにない危機だし、最終話までいっても根本的に解決されていないくらいのアクシデントなので、劇的にハナシが展開するのは当然っちゃぁ当然なんだけど。そのなかで、例のごとく新しい秘書をハメ倒すのはいいけど、そこから結婚までいくかぁ? てか、絶対長続きしねぇだろ、その結婚は! と突っ込んだ人は、多分、全世界に1000万人くらいいるんでしょう。

・シーズン5でメーガンはどうなるのか? 子どもがいないから家を置いておく必要はないし、そもそもジェーンみたいに贅沢を楽しむタイプでもないだろう。会社に残ってコピーライターに昇進ってのも、仕事にだけは厳しいドンがとり得る選択肢でもない気がするしなぁ……。結局、家に篭って不満をぶちまけるも、シーズン半ばで妊娠発覚ってことに落ち着きそうだ。

・個人的にはヘンリーとベティの仲がアレになって、ドンが子どもを引き取る――という流れ(=クソビッチであるベティはミッジみたいに落ちぶれるんですよ!)になってくれることを望むけど、ああ見えて立ち回りが上手く、ドンの秘密を握っているベティが一方的に自分の負けになるような選択をするとは思えないしなぁ。ヘンリーと別れるときは、次の相手を見つけたときなんでしょう。

・それにしても脚本、演技の素晴らしさは当然のことながら、演出も本当に超一流。「レーンの30ドル」とか「フェイの入室時にほんの少し視線を移すメーガン」とか、超さりげないながらも百万のセリフよりも雄弁に語る演出は本当に凄い。

・今回、シーズン1から全部見直して、改めて関心した演出も多数あり。例えばシーズン2最終話で、ベティが浮気して帰宅したときのシーン。暗闇で冷蔵庫を開けて、冷えたフライドチキンを無表情で貪るんだけど、あの、15秒に満たないシーケンスのなかで――

「久しぶりのSEX後の異様な興奮」
「ドンに仕返しできて、してやったりの気分」
「SEXで体力を使った後、単純にお腹がすいた身体状況」
「バーに入って1分と経たないうちに男を釣れた、自らの美貌に対する自信」
「初めての行きずりのSEXというスリルを味わった後の空虚感」

――といった様々な感情が入り混じってどうにも発散できない状態を、たった一つの行動だけで見事に表現しきるという演出。アレだ、名作は何度見返しても再発見があるというのは本当だと思いますよ。



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