2010年6月16日水曜日

愛甲猛が語る「野球賭博」

最近、琴光喜関係でTV、新聞では野球賭博の話題がもちきりのようです。暴力団関係者や現役力士などの顔伏せインタビューが頻繁に流れるなか、古手の野球ファンのなかには、「なぜ、この男を出さない!」と憤慨している人も少なくないのではないでしょうか?

この男って誰だって?
愛甲猛に決まってるじゃないですか!

というわけで本日は、自著で野球賭博のことを赤裸々に告白したにも関わらず、マスコミからハブられ続けている愛甲の大傑作自伝『球界の野良犬』(宝島社)より、野球賭博について語っている部分を紹介します。

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「そのY氏がハマったのが野球賭博である。大張りをするY氏は、ノートに有力各投手の防御率、投手ごとの打者別対戦成績、チーム別の球場成績など、細かなデータを記入していた」
「ご存じない読者のために簡単に説明すると、ヤクザ組織により行なわれている非合法博打の野球賭博は、先発投手の防御率を元に、小数点単位に細かく刻まれたハンデがつけられる。たとえば阪神に1.5点のハンデがついた場合、試合は1対0で勝っても賭博の勝負は1対1.5で阪神の負けとなる。少なくて10万円単位、高いと数千万円張る人もいるが、Y氏はあらゆるデータを元に『このハンデで行けるかどうか』を判断、“美味しい試合”に賭けていたのである」
「『昨日1000万やられた。どうしても取り戻したいから、今日の6試合のうち、確実な試合を教えてくれ』」
「6試合のハンデを聞きながらスポーツ新聞を凝視すると、中日戦は微妙な数値。両チームともエース先発だが、2点差以上で勝たなければならない」
「『手を貸してもらえないか?』と言われたが、さすがに断った。手を貸すとは、中日に点が入って欲しくない場面で、代打に出る俺に『凡退してくれ』ということだ」
「そんなことできるわけがない」
「断る代わりに予想を伝えた。防御率トップ、3連勝中のエースが先発するパ・リーグの試合である。ハンデは微妙だったが打線は上向いており、かなりの確率で勝てるだろうと思われた。事実、予想通りとなり、負け分を取り戻したという」
「ご祝儀を差し出されたが、受け取れるはずもなかった」(189~191頁)

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TVや週刊誌で言われているような、「ハンデ=1点ごと」ではなく「ハンデ=0.1点ごと」なんですな。麻薬からドーピングまで、ほとんど実名で洗いざらい告白した愛甲にして関与を強く否定していることを考えると、球界における八百長のタブーがいかに重いものかが窺い知れるというものです。

なお、あまりにも面白すぎる『球界の野良犬』については、後日、キッチリと取り上げるつもりです。といってもニーズは全っ然なさそうな気がしますが……。

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